東京藝大 籔内佐斗司教授にメイク
東京藝術大学大学院 籔内佐斗司教授のご依頼により、かねてより親交のある当研究会理事長内田嘉壽子(かづきれいこ)がメイクアップの協力をさせていただきました。
籔内先生と言えば、ご存知の方も多い奈良県のマスコット「せんとくん」の生みの親で、彫刻家として活躍される傍ら、寺社仏閣などの保存修復にも多数携わっておられます。
今回のテーマはなんと「文化財の修復・復元はどこまで許されるのか」。
文化財の修復においては「現状維持派」と「復元派」に意見が分かれる中で、籔内先生は「現状維持派」。修理には関与するアーティストの感性や技量によって結果が大きく異なる可能性があることを、ご自身の顔を使い、メイクアップによる変化できわめて異なる印象になることを示唆しました。

眉と目元・口元の色味やラインの方向性を変え、テープで顔の形も変化することで、表情や雰囲気が大きく変わります。
やさしい印象に きつく怒りを帯びた顔に 情けない顔に
撮影したこれらの写真は、平成29年2月25日「文化財修理のあり方について考えるシンポジウム『阿修羅像を未来へ-文化財保護のこれからを考える-』」(興福寺・朝日新聞社主催、朝日新聞文化財団共催)で発表されました。
「現状維持」という枠を取り払ってしまうと、このような事態になる恐れがあるという先生の発表は、会場内を大変沸かせておられました。

REIKO KAZKI講師養成コースにて講師をしてくださっている元宝塚歌劇 花組娘役の「初姫さあや」こと黒澤さやかさんに協力いただきました。
シンポジウムの内容及び写真は、平成29年3月21日発行の朝日新聞(朝刊21面)に掲載されました。